顎がガクガク、開けにくい。 あくびが思い切り出来ない・・・なんてことはありませんか? 

これは顎関節症です。 最大の予防策は“くいしばらない!"ことです。

当院に来院された患者さまに、 “くいしばりの習慣はありませんか?”と質 問しますとほとんどの方が“くいしばりはありません。”と答えられますが... 

歯科用語のくいしばりとは、上下の歯が接触しているだけで、強い力が入っ ていなくてもくいしばりと判断します。

実際には半分くらいの方に、かみしめ (クレンチング)の習慣があるように思 います。 人によっては、歯も唇も合わせていないといけないと思われている 方も多くいらっしゃいます。

顎の安静位

どなたでも、一生ご自分の歯で食べたいですよね。 そこでどのような工夫をしていただくか・・・

それは 歯も顎も安静位に保つ事が大切になります。 安静位とは上下の歯が1~2mm浮いた状態です。つま り、上の歯と下の歯は、1日のほとんどが離れていると正解なんです。
今日からは、食べるとき以外上下の歯に隙間が開くよう浮かせて生活してみて下さい。 食べるときは ON 食べていないときはOFFに出来れば、 歯が長持ちすることになります。この際、舌をはさんでは いけません。舌を前に出している癖 (舌突出癖)で、前歯は浮いた状態なのに奥歯ばかりが強く当た って、肩こり頭痛になってしまう事がありますのでご注意下さい。

くいしばりされた方々の具体例

学校の授業中、 頬杖をついていて、顎に鋭い痛みで急患で来院されました。

台所のレンジ周りのお掃除を夢中でした後、顎が開かなくなった。

午前中に集中して家事をこなすと、 必ずお昼過ぎから頭痛となり ほとんど毎日頭痛薬を服用している。

読書が大好きで、 読書を長時間した翌日は必ず肩こり頭痛がひどい。

掃除機を手早く済ませた後、顎に激痛が走った。

夜中にひどく、くいしばって目が覚めた。 朝起きると肩から上のだるさを感じた。 十分な睡眠をとったのに、まったく疲れがとれていなかった。

くいしばりで起こる症状

肩こり 頭痛 / 開口障害/ 首の痛み / 腕が上がらない/
口内炎 / 体がだるい (特に上半身) 等

この他、 歯の破折や、 特にお年寄りになると歯の神経が腐ってくる場合もあります。

くいしばりを始めた後、数時間するとその不快症状が現れます。 昼間のくいしばりが夜の歯ぎしりやく いしばりを引き起こし、24時間肩から上の部分は働きっ放しということになります。こうなると、十分な 睡眠をとっても、疲れが取れないということも納得できますね。

対策

ブラキシズム (くいしばり、歯ぎしり、 タッピング) が悪い習慣ということを理解して、先ずくいしばりをい つしているのか気づく事が大切です。 (自覚する) それから、 その長く続いてきた習慣を変えるように 努力すること。 10年位はかかると思います。

■ 例えば

車の運転、 ウォーキング、 読書、重いものを持つとき、 パソコン使用時、 料理しているとき、スポーツ、 裁縫、スポーツ観戦等

くいしばりが自覚できたら、 次にその作業行動をする前に “くいしばらない ぞ!!!"とお口をポカッと開けてから行動に入ってください。 徐々にその 習慣は遠ざかって行くと思います。 幼き日の頃からの習慣ですから、 短期間ではなかなかなおりません。

奥歯だけが極端に強く当たっている場合にもくいしばりが起きることがあり ます。 その場合には、奥歯の噛み合わせの調整をすると改善されます。