口臭に悩む方へ…口臭は改善できます!
口臭はなかなか人に相談しにくい悩みですよね。それは単に個人的な悩みの問題としてだけでなく、人と人とのコミュニケーションを妨げること、また、介護の必要な高齢者をケアする際にも大きな障害になるなど、わたしたちの社会生活において決して無視できない問題でもあります。しかし、口臭は治療できる症状の一つなのです。どんなに重症の方であっても、一回のクリーニング治療でみちがえるまでになります。
◎口臭はどこから発生しているの?
口臭の原因には、次のようなものがあります。
(1)歯垢
歯の間などに付着した歯垢が時間の経過とともに、口腔内細菌の働きで腐敗をおこすことによって発生する口臭です。その主な成分は、揮発性硫黄化合物(Volatile Sulfur Compounds; VSC)です。
(2)舌苔
口臭の原因の多くは、実は「舌の汚れ」によるものです。生理的口臭の6割ほどは、舌上に付着した舌苔(ぜったい)から発生しています。歯や歯茎のブラッシングは怠らなくても、舌を綺麗にする人は少ないのが現状です。
舌苔ってなに?
舌苔とは、口腔内のいろいろな物質が垢のようにたまって堆積したものです。
(3)口の渇き
唾液には抗菌作用があり、細菌や食べ物のかすを洗い流してくれますが、その唾液の分泌が減ると細菌にとって好ましい環境となり、口臭は強くなります。
口が渇く(唾液の分泌が減る)要因には、次のようなものがあります。
- ストレス、緊張などの精神的な影響
- 朝、起きた直後
- 薬を飲んでいる時
- 喫煙習慣がある
- ドライマウス※
※ドライマウスとは ?
ドライマウスとは、口腔乾燥症、すなわち唾液分泌が低下し口の中や喉が乾いている症状を指します。ドライマウスの症状に伴い、むし歯や口臭の発生、舌や喉の痛み、舌のひび割れなどの症状が出ることもあります。
ドライマウスの原因としては、(1)口の渇く副作用をもつ薬剤を飲んでいる(目薬や鼻炎の薬なども含む)、(2)高齢により唾液分泌能力が低下している、(3)口で呼吸している、(4)自律神経失調症である、(5)食生活の変化(柔らかい食事ばかりであまり噛まない、食事を抜くなどの極端なダイエット)、(6)シェーグレン症候群(膠原病に分類される自己免疫疾患の一つで、眼と口腔内の乾燥する病気)など、さまざまなものがあります。
(4)歯周病・歯肉炎など
歯周病の原因である微生物が発生するガスは、強力な腐敗臭を放ちます。
(5)その他の病気
いくら歯をみがいても、歯医者に行っても治らない口臭の場合、口腔以外の、全身に由来する病的な口臭である疑いがありますが、実際この分類に属する患者さんはきわめてまれです。
(6)食べ物
においの強い食べ物(ニラ、ニンニク、ラッキョウ、ネギ、たくあんなど)を食べた後に、口臭がひどくなることがあります。また、飲酒・喫煙によっても起こります。これらは、一度体内に取り込まれたにおいの元の成分が胃で消化された後、血液を介して全身を循環し、肺を経由して吐き出されています。
口臭はほかにも、だれにでもある生理的な原因(朝起きた時、月経時、緊張した時など)でも起こりますし、また最近では自分の口臭を気にするあまり、実際はにおわないのに口臭があると思い込み、深く悩んでしまう人(自臭症)も多いようです。
いずれにしても、当院では口腔内のクリーニングのみならず、全般のケアも含んだ治療を致しますので、お一人で悩むことなくお気軽に当院にご相談ください。
◎口臭を防ぐための生活習慣
口臭対策で一番重要なのは、口の中を清潔にしておくことです。
よい歯ブラシを選び、正しい方法で丁寧にブラッシングすることで、口臭の発生源となる歯垢も除去され、口腔疾患の予防にもつながります。
また、意外に見落とされがちなのが舌の汚れです。舌苔は歯垢と並んで口臭の二大発生源であり、舌苔を取ることで驚くほどの口臭の改善が見られることが多いです。それと同時に、口中の洗浄作用があり天然のデンタルリンスとも言える、唾液の分泌をよくするための対策もポイントです。
◎よく噛んで食べる
唾液の分泌が増えて自浄作用が高まります。
◎食後に一杯の緑茶を飲む
食後のお茶が口の中をさっぱりさせてくれることは周知の通りですが、最近話題のカテキンという、緑茶に含まれる成分には抗菌作用があり、細菌の増殖をおさえ、むし歯や歯周病を防ぐ効果が期待できます。また、フラボノイドという消臭効果のある成分が、口臭をカットしてくれます。
◎食べたらハミガキをする
食べかすは食後20分もすると腐敗が始まります。食後のハミガキを習慣にしましょう。デンタルフロスや歯間ブラシを使うと効果的です。
◎舌苔をとる
一日一回、タオルやガーゼ、歯ブラシなどで舌の汚れをぬぐい取ります。朝起きた時がベスト。
舌苔除去用の舌ブラシやタングクリーナーなどを使う方法もあります。
◎おしゃべりする
口を動かすと唾液の分泌も盛んになります。ストレス発散にも。
◎リラックス
緊張やストレス、過度の疲労などは唾液の分泌を悪くします。
◎チューインガムを噛む
ガムを噛むと唾液の分泌が促され、歯肉の血液循環がよくなり、また緊張を和らげリラックスできるなど、様々なよい効果があります。クロロフィルやフラボノイド入りのものがお勧めです。
◎ドライマウスの場合はその対策から
唾液の分泌機能が低いと、殺菌作用が低下し、細菌が活発に活動することにより作り出される代謝産物が、強い口臭を発生させます。専門家にご相談ください。